電通グループ(東証一部4324)は現在145を超える国や地域において約66,000人の従業員が働く日本を代表する大企業であることは言うまでもありません。
2020年11月。その電通が正社員の一部を業務委託契約に切り替え、「個人事業主」として働いてもらう制度を導入すると発表しました。
コロナショックで失業者は増え、企業側も早期退職を促したりあらゆる施策が飛び交う中、今回の電通の”個人事業主化”はどういった狙いがあるのでしょうか?
この記事では、
- 電通の個人事業主化はいつからか?目的は何?
- 電通の本音を考察!?新しい個人の働き方を考える時代へ
といった内容になっています。
大企業の新しい動向は、私たち個人のこれからの働き方を考えるきっかけになるもなりますよね。
これはアナタにとっても他人事ではない【個】で生き抜く時代の序章かもしれません。
電通の個人事業主化はいつから?目的は何か?
11月11日、日本経済新聞によると・・・
電通は一部の正社員を業務委託契約に切り替え、「個人事業主」として働いてもらう制度を始める。まずは2021年1月から全体の3%に相当する約230人を切り替える。電通では副業を禁止しているが、新制度の適用を受けると兼業や起業が可能になる。他社での仕事を通じて得られたアイデアなどを新規事業の創出に生かしてもらう考えだ。
適用者は電通社内の複数部署の仕事をするほか、他社と業務委託契約を結ぶこともできる。ただ競合他社との業務は禁止する。電通は「新しい働き方を求める社員の声に応じて制度導入を決めた」と述べ、人件費縮小などリストラ策ではないとしている。
【出典 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66103760R11C20A1916M00/】
40代以上の社員約2800人を対象に募集したところ、
約230人が2021年1月から業務委託契約に切り替え個人事業主となります。
年明け1月に心機一転、新しい働き方のスタートとなりちょうどキリがいいなぁと思う反面、年末調整などの事務作業的にも良いタイミングなのかもしれませんね。
具体的には電通が新設する会社と業務委託契約を結ぶのですが、
契約期間は10年間で電通時代の給与を基にした固定報酬のほか
実際の業務で発生した利益に応じてインセンティブも支払うといった内容になっています。
そして、電通がなぜこの制度を導入したかという目的が気になるところですが、
記事にもあるように、『新規事業の創出』と『兼業や起業が可能』になるといった新しい働き方を求める社員の声に応じて制度を導入したとしています。
確かにこれまで電通は副業禁止で(現在も変わらない)、
社員は会社以外での仕事をすることができませんでした。
電通で働く社員の方は、バリバリ働いて、より上を目指す思考の人が多い印象です。
それ故、そういった方々にとってこの制度が導入されたことで
- 個人のスキルやレベルアップが可能になる
- 残業規制を気にせず働いて稼げる
- 10年間の固定報酬の約束+インセンティブは個人事業主にとって好条件
- 本格的な起業をするきっかけになるかもしれない
といったメリットが挙げられます。
新しいことを始めたい!とか
元々優秀な人にとっては自由度の高いこの働き方はメリットが多いと言えます。
しかし、全社員そうでしょうか?
この制度はいいことばかりではないことも理解しておかなければなりません。
電通の本音を考察!?新しい個人の働き方を考える時代へ
ここからはあくまで私個人の見解になりますが・・・
この制度を取り入れることは電通の本音として、
- 労働基準法の規制を免れることでリスク回避できる
- 社会保険料の会社負担額を削減
という大きな思惑があるのではないでしょうか。
電通は過去に複数回社員の過労死事件を引き起こした大企業です。
正社員でなくなり業務委託契約の個人事業主となれば、労基法に定められる月45時間、年間360時間という時間外労働の上限を超えて働いても問題にはなりません。
仕事大好き人間が働きたいだけ働けるのは幸せかもしれませんが、逆に時間の自由を夢見てフリーランスになった人からするととんでもない話です。
たとえ過労死したとしても個人事業主の場合は、その責任を企業に問えないこととなります。
また、社会保険料であれば従業員本人と会社が折半して支払っていたものが、個人事業主になることで国民年金と国民健康保険に切り替える必要があります。
そのため、企業としては社会保険料が削減できるというメリットがあります。
上記で示した2つの項目以外にも、
- 将来の退職金を削減できる
- さらなるコロナショックに備えて固定費を削減する
- 消費税を節税したい
といった裏事情もあるのではないでしょうか。
これらのことから、
表向きには『新規事業の創出』や『兼業や起業が可能』とアピールしている電通ですが、実際には「終身雇用ができない」という企業側の本音が見え隠れしています。
兼業や起業はなにも個人事業主にならなくても、企業が副業を容認すれば済む話ですからね。
日本はこれまで当たり前のように年功序列、終身雇用、そして退職金をもらえる仕組みとなっていました。
しかし2019年にはトヨタの豊田章男社長が、「終身雇用を守るのは難しい」とした発言が話題になりました。
2017年より一足早く個人事業主化の制度を導入したタニタや今回の電通の発表を見ても、今後同様の事例が拡大していくことが予想されます。
もはや会社にだけ頼るのは、たとえ正社員であっても絶対安定とは言えない時代へと突入したと思います。
そのときが来たときに、ただ不安に怯えることのないよう今からしっかりと複業で収入の柱を増やしておくことが重要ですよね。
普通の主婦であっても、
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