ご存じの方も多いかもしれませんが、令和2年度税制改正大網(2019年12月20日閣議決定)において、一般・つみたて・ジュニアそれぞれのNISAの見直しが決定致しました。
つみたてNISAは新規口座開設可能期間が2037年から2042年までの5年間延長となり、
一般NISAはより多くの国民に積立・分散投資による安定的な資産形成を促す観点から2階建ての制度に見直した上で、こちらも新規口座開設期間を2023年から2028年までの5年間延長を決定しました。
ジュニアNISAは利用実績が乏しいことから延長されず、新規口座開設は2023年のままとなり実質廃止となりました。
3つのNISAのうちジュニアNISAのみが廃止となったわけですが、実は廃止になったことで今ジュニアNISAに注目が集まっています。
今回は、
- これまでのジュニアNISAのおさらいと、
- 廃止後のジュニアNISAがどうなるか?いつまで運用できるのか?
といった点にフォーカスをあてて解説します。
小さいお子さんがいるご家庭は、スルーできない内容ですのでぜひチェックしてみてくださいね。
これまでのジュニアNISAのおさらい
さっそくですが、まずはこれまでのジュニアNISAを下記の表にしてみました。
利用できる方 | 0歳~19歳の国内居住者 |
口座開設可能数 | 一人1口座 |
年間投資可能額 | 毎年の新規投資額が上限80万円まで |
投資可能期間 | 2016年~2023年 |
非課税期間 | 最長5年間 |
非課税対象 | 株式・投資信託等をばいきゃくした場合の譲渡益や配当金 |
運用管理者 | 口座開設者本人の二親等以内の者 |
払出し | 原則18歳までは払出し制限あり |
これまでのジュニアNISAでは、
ジュニアの名の通り成人していない子供を対象に一人1口座開設できました。
表の通り2016年~2023年の間で最長5年間非課税での投資が可能となっていました。
具体的には年に上限80万円まで新規投資できたわけですが、
原則18歳までは払出しの制限があったのが最大のデメリットでした。
なぜなら、18歳になる前に引き出すことは可能ですが
その場合それまで非課税であった利益に対してもさかのぼって課税されるからです。
- 今回ジュニアNISAが改正されたことでこの点がどう変わったのか?
- 廃止されたらいつまで運用できるのか?
- 廃止されたのに、今から口座開設する意味あるの?
といった疑問を次に紹介したいと思います。
廃止後のジュニアNISAどうなる?いつまで運用できるのか?
ジュニアNISAが廃止となり大きく変わったのが以下の2点です。
- 2024年以降18歳に達していなくても払出しが可能(但し、全額払出しのみ)
- 18歳未満で払い出した際でも、さかのぼって課税されることはない
どうでしょうか?さきほどのデメリットが解消され以前より魅力的な制度になっています。
しかし、気になるのは期間の延長がなかったことで2023年までが投資可能期間となります。
これって今からやる意味あるの?と思ってしまう方も多いかもしれません。
しかし、あくまで上記の期間は『投資可能期間』を指しています。
2021年現在お子様の年齢が0歳で新規口座開設したとしましょう。
2023年までの3年間上限の80万円を毎年投資したとして240万円ジュニアNISAで資産運用しました。
それ以降新規の投資はできませんが、
3年間で投資した240万円は最大でお子様が18歳になるまで非課税口座にて運用できるのです。
これってすごいと思いませんか?
通常投資で得た利益は約20%課税されますが、
この口座で運用(ほったらかし運用)で得た利益には課税されません。
もちろん、お子様の成長とともに資金が必要になる時期が18歳より以前に来る場合もあるでしょう。
そういったときにもさかのぼって課税されることなく払出しできるというのは大きなメリットですよね。
ですので廃止されたとは言え、今からでもメリットを最大限に活かして口座開設した方がいいというのが結論です。
特にお子さんが小学校低学年以下でしたら、検討の価値ありですよ!